興味から始まった施術の仕事

私の出身は秋田県の片田舎。

家族も多かったので、祖母、母ともに外食や出来合いのものは極力使わず、節約になるからと毎食丁寧にご飯を作ってくれました。

中でも、祖母は風邪に効くからとたんぽぽ酒をつけてくれたり、卵酒を作ってくれたり、今思えば野草や食材からの食養生を生活に取りいれてくれていました。

小さい頃は、苦いとか美味しくないとかでできれば飲みたくないと思っていましたが(笑

でもおかげさまで、幼稚園はそれなりに風邪を引いたりしましたが小学校は2年生からほとんど皆勤賞(2年生までは登校拒否気味だったので)で、中学校は1回だけお休みしてあとは皆勤、高校生は皆勤賞の症状をいただきました。

地元を離れて専門学校に入り寮生活になっても、体調を崩すことはほとんどなく、食生活の乱れはあっても自分で立て直す力、自然治癒力は備わっていたのだと思います。

専門学校では好きなゲームに関わりたくて、ゲームソフトクリエーター科に進学しました。
そして、専門学校を卒業し茨城へ。

周りに活かされていた下積み時代

全く知らない土地で始まったリラクゼーションのお仕事。
当時は「せっかく専門学校出たのに・・・」と言われたりもしました。

この業界に興味を持ったきっかけは、高校生の時からあった肩こりです。

施術を受けたくても、当時地元にあったのは年配の方が行くような電気をかけるあん摩さんしかおらず、若い人が行くような今のようなリラクゼーションサロンはありませんでした。

私は施術を受けるのも好きなのですが、体格的に筋肉が細いこともあり、せっかく楽になりたくて受けに行ったのにもみ返しになって翌日辛くなることもしばしば。

その時はすっきりするのはいいけど、揉み返しがなかったもっといいのにな・・・

最初はそんな思いで関わりはじめたリラクゼーションの仕事でしたが、周りに友人がいない茨城の町で人と私をつないでくれたのは「もみほぐし」でした。

初めてのお客様でも施術を通して話が弾み、10時から22時、あるいは24時という通しの仕事でも全く苦にならずむしろ楽しい!の連続でした。

ケインコスギが好きだと言ったら本をプレゼントしてくれたお客様、秋田出身だというと遠くから来て頑張ってるね、と励ましてくれたお客様。

優しいお客様と、温かいスタッフに囲まれて幸せな環境で仕事ができる幸せ。
その頃は週1の休みでしたが、むしろ休みすらいらないと思っていました。

セラピストとしての限界に悩む

そうして1年も経つとどんどん新しい子が入り、また出ていき、実力のある先輩は店長になり独立してお店を離れていきます。

一時期50人ほどいたスタッフのランキングで、揉んだ時間と指名の時間と15位、10位と上位に上がっていく喜びはありましたが一方でもやもやした気持ちも膨らんでいきました。

お客様とのやり取りは楽しい。

新しい技術を覚えて、お客様が喜んでくれるのも嬉しい。

しかし、このままどんどん成果を出して店長などトップに立つというイメージがどうしてもわかないのです。

リピートさせる目的ってなんだろう?

売上を上げるためにリピートさせるって、好意を持って良くしてくれるお客様に申し訳ない。
そのモヤモヤが大きくなり、私は大手チェーン店から退職しました。

人の体に寄り添うことの大切さに気づく

エステやアパレルなど掛け持ちをしながら起業をし、ほそぼそと施術をしていましたが当時は店舗を持たず、施術ベットを持って各地で仕事ができるところを探し飛び回っていました。

水戸を中心に、日立からつくば、神栖、香取など県をまたぐこともありました。

店舗を持たないセラピスト

そんな活動を通していろんなセラピストさん達と出会い、さまざまな技術に触れてきました。
お店にいるだけでは、施術は基本一つしか学べません。

起業してカイロ、整体、レイキ、アロマなどたくさんのアプローチ法を知り、体験し、落とし込むことで単なる指圧だけではなく体と対話する大切さを知ったのです。

筋肉に負担がない強さでも効く施術

じっくり体と対話することでお客様の体が教えてくれます。
一番深い気づきを与えてくれたのは、鍼灸師であり占術も行う男性のセラピストさんでした。

体だけのアプローチではなく、心もケアする。
そして一方的なものではなく、お客様自身も自分の体を知り、気付き、自分の力に気づくことで体は向上していく。

その鍼灸師さんの施術スタイルが、今までの「施術だけでアプローチする」という概念を崩してくれました。

体のツボや経絡、環境を作る家相や漢方、食養生なども元をたどると陰陽五行にたどり着くということに気づき、易経やより深い知識を得るために古書なども読み漁るようになり「若いのにおじいさんみたいなの読んでるね」と珍しがられるのですが、そのきっかけをくれた人です。

子育てで気付かされた心と体のつながり

次男が産まれ、育てていく中でどうしても理解できないところがありました。

それは後に発達障害というところに繋がるのですが、周りに相談できる人もいなく、家族の理解もないモヤモヤを解消したくて「子育て」とつくセミナーやブログなどを読んでいた時。

「アンガーマネジメント」でイライラがなくなる?という記事を見つけ、これだ!と思った私は「アンガーマネジメントキッズインストラクター」の講座を受講しに東京に向かいました。

そこで知った、「怒りは悪ではない」ということ。
それぞれ価値観があって、自己防衛本能があるから自分を守ろうとするから怒りに繋がるのだ。

体の表面じゃなく、もっと内側を知りたい。

そんな時に水戸で開催するという「子育てが楽になるマヤ暦のおはなし会」があるということを知り、そこに参加してマヤ暦の凄さを知りました。

マヤにも紋章同志の相性はありますが、良い悪いという概念がなく、全ては0である。が基本にあります。
全ては学び、全ては必然なこと。

この考え方が腑に落ちて「心と土台と資質すべてを見ていく」という今のスタイルになっていきました。

施術だけに頼らず自分で体を整えること

私は今までに、大きな病気をしたこともないし、4人の妊娠出産もギリギリまで仕事して、産後すぐ体重も落ち、体重も体型も高校生の頃からほとんど変わっていません。

体に不調がなかったので、もしかしたらセラピストとしては欠陥なのかもしれませんね。

なぜなら、ほとんどのセラピストは体が弱かったのが克服したとか、痛みがなくなったとか、完治したとかそういった体験がきっかけで施術者の道に行くからです。

よく施術で子育てサロンなどを回ったりしていた頃や、子どもが4人いるんですという話をすると「どうしたら体型を維持できるの?」と言われるのですが、本当に特別なことはしていなく、ただやっていることといえば「よく体と相談する」ことです。

薬膳のお話でよく言うのですが、何にしても「バランス」が大事。
どれだけ良いものでも食べ過ぎれば毒になる。

先に上げたように、私の実家では普段は家でゆっくり食べること、なるべく自然のものを食べることを主軸にしてきました。

たまに外食もいいですが、やはり普段の食事が大切でここが基礎となり体が作られます。

それを実感したのは自分が子どもを持った時です。

子どもが4人いるとそれだけ感染率が上がり、多いところでは子ども一人でも毎週なにかしら病院にかかっているという家庭もあるようですが、うちはほとんど病院にはかかりません。

そもそも子どもも抵抗力が高い。体温が高い。

いくら丈夫に産んでもらっても、その後の食生活や生活習慣でそれは消耗してしまい本来の体の動きができなくなってしまいます。

小さい頃の食事を続けていた私は、どうやらそれが自然に維持できていたようで、その食事で育った子どもたちもやはり自然治癒力が高く、病気に負けない体を保ち続けることが出来ています。

心と体、そして自分に軸を当てること

集めた膨大な資料を、書き出し、まとめ、読み返しながら実際のお客様の身体と照らし合わせてアドバイスをしたり提案したり、提供するメニューが増えていきました。

それにより、なかなか施術に来られない人も毎日の食生活で体調が好転したり、資質の鑑定によってストレスが軽減して活動の幅が広がったりという嬉しい話も聞かれるようになりました。

それとともに、同じ様に子育て中のママさんの起業や女性の起業家さんが苦手とするデジタル部分を依頼されることも増えて来ました。

心と資質は非常に結び付きが強いので、言葉だけでは理解しにくいという方には資質からのアドバイスを入れることで自分で気づきがあったり、思考がクリアになったりということがあります。

土台である体の部分では、体の使い方や動きなどを想定しながらお話し、それにあった普段の心がけやもみ方の強さなどを調節していきます。

また、食事のこと、普段の生活スタイル、抱えているストレスのこと、深い悩みの場合は今までの人生のことを総合的に振り返ることもあります。

そういったアナログな部分を大切にしつつ、必要なデジタル部分も美龍堂が歯車となって活かすことができる。

わかっていても自分ひとりではどうにもできなかったり状況は様々ですが、一人でどうにもできないことが少しでも減るように、美龍堂では様々なデジタル技術も使ってサポートしていきます。