水戸の美龍堂 からだ研究所の巴です。
4月終盤からのGW。
お出かけの予定も立てていると思いますが、特に男の子がいる家庭や初節句をお祝いするという方は5月5日は特別な日ですよね。
端午の節句の由来
端午の節句とは子どもの日のこと。
子どもの健やかな成長を祝う行事です。
以前別のページでも書いたように、節句は季節の節目ごとに、心と体を整える為に行われます。
十二支は、その年に生まれた子供に割り当てられるもの以外に、12ヶ月に一つずつ配置されているものもあります。
5月の十二支は何かご存知ですか?
端午って?
五月は、「午(ご)」にあたります。
午は馬のこと。
陽気・おしゃれ・派手をイメージするもので、五行で表すと「南」「火」。
色でいうと赤になります。
火の三合の始まり。
この考え方はちょっと難しいのですが、順番に紐解いていきたいと思います。
火の三合とは
三合という考え方は、主に風水で使われる事が多いです。
吉方位、方位取り、三合参りなどで取り入れられていますね。
そして、火の三合とは、午・戌・寅のこと。
この順番は決まっており、生旺墓と「生まれ栄えて衰える」流れになります。
五行の考えにのっとり、木火金水とそれぞれ配置されていて意味合いも異なります。
火の三合が表すものは「学問・学術・社会的地位名誉や地位」
ここから、子供の成長を願う節句として特に男の子のお祝いになったのだと予測されます。
鯉のぼりはなぜこどもの日に飾るの?
こどもの日には五月人形や鎧兜などの室内用の飾りや、鯉のぼり、菖蒲湯、柏餅というのがポピュラーだと思われますが、それぞれにもやはり意味があります。
菖蒲を飾る
薬草として菖蒲をお風呂に入れる菖蒲湯、菖蒲の根茎を乾燥させて「菖蒲根」という生薬にしてお酒などでいただく方法があります。
この菖蒲は、尚武という武道を重んじる考え方と同じ読み方であるから選ばれたのだとか。
他には、菖蒲の葉が尖っていて剣に見えるから、邪気を祓う香りをもつから、など諸説ありますね。
兜
兜や鎧は戦場で体を守るもの。
このことから、災から身を守ってくれますようにという厄除けの願いが込められています。
こちらは最近では実際に飾るよりも、写真などで着用する方のほうが多いかもしれませんね。
鯉のぼり
古くは江戸時代、将軍や武家に男の子供がうまれると、旗を立ててお祝いをする風習がありました。
それは城下町からも見えるような所に立てることで、そこに跡継ぎがいるということを城外にも知らしめたそうですが、その情報を逆手に取られて戦に破れたという話が残っています。
それもあって一部の地域では今でも鯉のぼりを立てないのだそうです。
矢納地区では昔から鯉のぼりをあげません。これには、こんな言い伝えがあります。
昔、平将門が城峯山に籠っている時、矢納の民家であげた鯉のぼりで、将門の所在が敵方に知れてしまい、敵は鯉のぼりを目標にして戦いを有利に展開し、ついに将門は戦に敗れてしまったというのです。
それから、鯉のぼりをあげるとその家には不吉なできごとがあると信じられ、矢納では現在も鯉のぼりをあげることは無いそうです。
出典元:鯉のぼりと将門伝説
男子がいるところには旗を立てるというのは段々庶民にも伝わっていくのですが、のぼりや旗を持たない家は立身出世を祝って鯉ののぼり(こいのぼり)を立てるようになります。
中国の黄河上流に、竜門という激流が流れる滝があり、「そこを遡った魚には霊力が宿り龍になる」という伝説があります。
その魚は鯉。
鯉のぼりを飾ることで、子供の成長と出世を願ったことが鯉のぼりの起源だそうです。
ちなみに、鯉のぼりの一番先頭についている吹流しと言われるものはよく見てみると五行に沿って5色になっています。
5色といえば、短冊も同様ですね。
家紋を入れたり、名前を入れたり、鯉のぼりも様々なタイプがでていますよね。
ただ、現代の住宅ではポールを立てられる広さの庭があるところが少なくベランダも狭いなど、そもそも自宅に飾るところがない、という所も多いでしょう。
先に上げた五月人形のように、アパートなどの賃貸では大きい飾りだと収納スペースがない、という悩みもあります。
それもあって最近では手のひらサイズの人形や、コンパクトな高さ、サイズになっているものやいくつかの飾りがセットになって1つのケースに収まっている商品など色んなタイプがあるようです。
柏餅
これらは何を表しているかというと、先に描いた「火の三合」のこと。
①時 火の旺気
②外 植物→木・寅
③形 炎型→火・午
④内容 粉・甘み→土・戌
②の植物に柏が使われたのは、葉っぱの形以外にも理由があります。
柏の木は新芽が出てから古い葉が落ちる=新芽を子・古い葉を親に例えて子供が生まれるまで親が死なない「子孫繁栄」という事に由来するから。
そして葉の裏表があるのは、中身の違いで、裏が味噌・表が餡だそうです。
必ずしもお祝いするのに兜や鯉のぼりが必要というわけではありません。
壁に絵を貼るでもいいし、おもちゃの人形を飾るでもいいと思います。
現在の日本ではすっかり環境も変わり、男女差がほとんどなく教育の機会が平等に与えられているので、男の子に限らず「学問・学術・社会的地位名誉や地位」の開運アイテムである柏餅は皆でいただくといいですね。