水戸の美龍堂 からだ研究所の巴です。
12月に入ってくると、しめ縄や鏡餅などの正月飾りが並び、もうすっかり年の瀬なのだなぁと一年の早さに驚きます。
そこで、意外と迷うのが「正月飾りはいつ飾るのが正解?」という飾る時期や場所のこと。
一般的に多い時期は、12月30日までに整えるとよいとされていますが、具体的にいつ、どこに?どんな風に?なぜ飾るの?というのは改めて聞かれると戸惑いますよね。
正月飾りはどう飾る
お正月飾りと一言で言っても沢山の種類があり、それぞれの役割と場所が異なります。
お飾りは縁起物で、歳神さまをお迎えして良い1年になるように願うもの。
知っておいて損はない豆知識もあわせて、まずは代表的な正月飾りをまとめてみましたので順番にみていきましょう。
しめ縄飾り
注連縄(しめなわ)は入り口であり、現世と神聖な世界つなぐところ。
その由来は、天岩戸に天照大神が再び戻らないようにしめ縄で岩を塞いだことが始まりだとされています。
神社には年末年始に限らずしめ縄が飾られていますが、神様がいる神聖な場所であり不浄なものが入らないようにという浄化の意味があります。
御神木に飾られているものもその意味です。
あわせて、この白い紙のお飾りは紙垂(かみしで)と言われるもので、和紙を特殊な裁ち方で切ったもの。
これは稲妻の形を模していて、落雷が豊作をもたらすという言い伝えがあります。
水田に落雷すると窒素が増えて稲の実りが良くなるのだとか。
「しめなわに、細い藁を二、三本下げる風習があるでしょう。あれはね、きみたち何故だかわかりますか?」「太いしめなわの本体は雲、細く下がっているのは雨をあらわしています。そして、白いごへいは稲妻です」
出典元:教師 宮沢賢治の仕事
といったのは、あの有名な宮沢賢治。
花巻農学校で教鞭を取っていた時にそんな授業を行ったそうですよ。
門松
年神様の依代の目印になるのが門松です。
門松を飾る理由は松(祀る)の木のこずえに神が宿ると言われていたことに由来するそうですが、いつからその風習が生まれたのかというと宮中行事が元である説があります。
「小松引き」が起源とされ、小松引きというのは年明けの初めの子(ね)の日に山に行き、小さな松の木を引いてくるという遊びのこと。
この「子の日の松」が長寿をもたらすと言われていました。
日本の正月といえば、やはり門松のイメージは非常に強いですよね。
今の標準的なスタイルとして竹を中心に松と梅、南天などを使った見た目にも鮮やかな飾りになっていますよね。
本来は松のみを飾ったシンプルなものでした。
門松は、玄関などの門の両脇に飾ります。
両脇に飾るのは、実は門松には雄雌種類があり、左に雄で右に雌を飾ります。
この、門松を飾る期間のことを指して松の内と呼ばれます。
しめ飾り
門松と同じく、玄関や軒先に飾り、神様の目印となるものがしめ飾りです。
しめ縄に松竹梅や橙(代々繁栄する)ゆずり葉(子孫繁栄)水引(縁を結ぶ)など様々な飾りがついたもの。
最近では洋風の玄関に合うように、丸いしめ縄にカラフルな色がついたものや、華やかなお花がついたしめ飾りも増えてきました。
それに伴って、厄除けの意味も込めて自家用車やバイクなどに飾られているのも見かけるようになりましたね。
各部屋や水回り、トイレやお風呂などに一つずつ飾るところもあります。
鏡餅
丸くした大小の餅を二重にね、橙をのせたものを神様にお供えするのが鏡餅。
人の心臓を表す円形と、それが鏡にみえることから鏡餅という名前がつけられました。
鏡餅と一緒に昆布(よろこぶ)やゆずり葉を供えるところもあります。
こちらは玄関、床の間を始め、神棚や仏壇、台所や寝室など各部屋に一つづつ飾ります。
正月飾りを飾る時期としまう時期
ここまで代表的な日本の正月飾りをあげてきましたが、しめ縄など正月飾りを飾る時期は年神様を迎える準備ができてからです。
本来は12月13日のすす払いという大掃除を終えてからが目安なのですが、現代ではクリスマスの後、落ち着いてからがよいとされています。
末広がりの8ということで28日が一番適しているのですが、29日と31日の大晦日は避けましょう。
29日は「苦にたつ」、31日は「一夜飾り」と言って縁起が悪く失礼に当たります。
この日は外して、お飾りをつける事をおすすめします。
もちろん、家の中をきれいに片付け、場を整えてから飾るのが大前提!
正月飾りを外す時期
元旦がすぎ正月があけたら1月7日を目安にお飾りは外しましょう。
1月11日を迎えたら、鏡開きという行事があります。
鏡開きは、飾った鏡餅を食べて無病息災などを願うもの。
それが武家から始まった行事であるため、昔から刃物を当てるのは切腹を意味しタブーとされています。
木槌などで割り、お雑煮やおしるこなどにしていただき家族の健康と無病息災を願いますが、お餅だけでなく大きな酒樽に入った日本酒を木槌で割り振る舞うところもありますね。
こちらも祈願成就などの意味が込められています。
それ以外のしめ縄などのお飾りは、1月15日の小正月に神社などで処分してください。
地域によってはどんど焼きと言って、皆でお飾りを一斉に集めて火にくべに行くという行事が行われます。
このどんど焼きではお飾りだけでなく、団子を作り枝に刺し、焼いて食べる風習もあります。
正月飾りの処分の日にちなどは神社などにもよって違いますので、1月15日はだいたいこの頃に処分するんだな、という目安にしてください。
もし、うっかりこの日も過ぎてしまっても大丈夫。
その場合の対処の方法としては、地域の神社によっては1月以降もお飾りなどを受け付けていますので、燃えるゴミと一緒に捨てるなどはやめましょう。
年末はどうしても忙しいのでお掃除など後回しにしがちです。
12月に入ったら少しずつ家庭でも片付ける時間をもうけて、最後に慌てないように余裕を持って行うようにしましょう。
この時重要なのが、1年間家族を守ってくれた歳神さまに感謝をすることです。
そして、良い空気と環境を整えてから、新しい歳神様をお迎えして家族みんな健康で楽しい一年にしていきたいですね。